暇人のドラマ・映画感想ブログ

ありきたりですがドラマ・映画の感想と考察を。

朝の連続テレビ小説 舞いあがれ12週(あらすじ・感想)

舞い上がれ12週 翼を休める島のあらすじ・感想

今週の登場人物

岩倉舞(福原遥)岩倉浩太(高橋克典)岩倉めぐみ(永作博美)梅津貴司(赤楚衛ニ)森重朝陽(又野暁仁)森重みちる(辻本みず希)浦信吾(鈴木浩介)才津祥子(高畑淳子)他

 

目次

 

あらすじ

 12月19日 月曜日

 2008年冬、舞は訓練と並行して航空会社へ就職活動を行っていました。一時は危ぶまれたものの、無事九州の航空会社への内定が決まります。両親に内定の報告をする舞でしたが、その頃実家ではリーマンショックの影響が経営状態に影を落とし始めていました。

 12月、航空学校のいつものメンバーで飲み会が開かれます。そこへ水島も合流。彼は航空学校を卒業する面々にこう言葉をかけます。

「君たちはさ、やってもやっても終わらない課題とバカみたいに厳しい訓練から逃げず、全部乗り越えて明日卒業するんだ。それがどんなにすごいことかはそれは俺が一番知ってる。」

彼の言葉に胸を打たれながら皆で乾杯をするのでした。

 また、舞は柏木に春までサンフランシスコへ語学留学へいくと告げられます。「しばらく会われへんのさみしいな」という舞に対して柏木は、「パイロットは寂しいなんて言ってられない仕事だろ。世界中を飛び続けて大事な人にもなかなか会えない。それに耐えられる強い人間がパイロットになる。」と言います。

「せやな。」「遠く離れても俺たちは大丈夫だ。」

 そして、入社までの期間東大阪に帰ってきた舞。

 

 12月20日 火曜日

 その頃、兄の悠人はリーマンショックの予言者としてメディアに取り上げられていました。それを手に取り、じっくりと読む舞の父。

 2009年1月、舞のところに簡易書留が届き入社が1年延期になったと連絡が来ます。

 舞は由良先輩と再会し、近況を語らいます。彼女は建築会社に就職し、将来自分の身長でも採用してくれるアメリカでパイロットになる目標があるといいます。応援する舞。

 その晩、舞は就職が1年延期になったことを両親に話す。心配して顔を見合わせるふたり。そして舞を案じて会社の経営不振については黙っておくことにしたのでした。そして、母は足を挫いてしまったばんばの手伝いのため五島へ行くことを提案します。

 後日、くるみに五島に行くことを話していると、貴司の母から彼が五島にいることを聞かされ、元気でやっているかみてきて欲しいと頼まれるのでした。

 五島に到着し、ばんばと再会を喜びます。「就職延びて大変だったやろ」と心配するばんばに、「大丈夫。1年だけやろ」と返す舞。

 そこへ、役場の浦さんに連れられて小学生の男の子とお母さんがやってくるのでした。

 

 12月21日 水曜日

 島の小学校に通うため祥子さんの家に住むことになった森重朝陽くんは都会の学校で馴染めず、環境を変えるため島へやってきたのでした。周りの大人たちともあまり喋らず、縁側でぼうっとすごす朝陽くん。そんな彼を気にかけ舞は隣で様子を見守ります。

 その夜舞は柏木と電話をします。就職が延びたことを伝えるも、少し元気なふりをして自分は大丈夫だと伝えます。

 翌朝、玄関で学校へ行きたくないと言う朝陽くん。その意志は固くお母さんがどんなに言っても聞こうとしません。お母さんの話を聞いた祥子さんと浦さん。祥子さんは急いで行かなくてもいい、と励ましの言葉をかけるのでした。

 昨日のように縁側で過ごす朝陽くんと舞。朝陽くんは何やら大きな画用紙に赤い玉を並べていました。舞は昨日と同様エアで飛行機の操縦訓練をしていると、朝陽くんは舞の真似をしてスラスラと操縦用語を連発していきます。驚く舞。

 しかし、朝陽くんのお母さんは興味の幅が狭い朝陽くんに対してもっと友達と外で遊んだり、他のことにも関心を持ってほしいと思っているようでした。そんなお母さんの話を聞き舞はかつての幼かった頃の自分と朝陽くんの境遇を重ねていました。

 そこへ一つの紙飛行機が落ちてきます。広げると、

おくじょうを   めぐり続ける   伝書鳩   飛べるよ高く   浮き雲よりも

と書かれていて、影から貴司くんが現れたのでした。



 12月22日 木曜日

 貴司くんは仕事の休みを利用して祥子さんの家へ訪れたのでした。以前、祥子さんに周りに合わせないでよか、堂々と生きたらよか、と言われたことに救われたという貴司くん。

 縁側で朝陽くんが黙々と並べていたのは星座だったと知る舞。朝陽くんは舞に星の話を生き生きとし始めます。

 倫子さんと電話で話す舞。お互い就職についての先行きの見えない不安を抱えている様子。

 翌日、貴司くんは舞ちゃんに言います。

「舞ちゃんは自分の気持ちちゃんと言えてる?心って重たいもの乗せすぎたら飛ばれへんなるねんで。なんかあるんやったら吐き出したほうがええで。」

 その晩、眠れない舞は祥子さんとお酒を飲みながら胸の内に支えていた不安を打ち明けます。「(就職が)ほんまに1年の延期で済むんかな、、」そんな舞に祥子さんがこう言います。「ばんばの船も出せない日もあるけれどそれが無駄と思ったことはなか。・・・空が晴れる日までできることをやればよかとか。」

 舞は朝陽くんに双眼鏡を貸そうと考え、祥子さんに頼みます。双眼鏡で熱心に星を観察する朝陽くん。他のことには興味を示そうとしません。そんな朝陽くんについての悩みをお母さんは祥子さんに打ち明けます。「小さい時からずっと他の子と違う。私の育て方が悪いと言われ誤ったばかりだった。・・あの子には私しかいない。私がしっかりしなきゃ。」と。

 舞は朝陽くんの様子を観察しながら、本当は学校へ行きたいのではないかと考えます。

 

 12月23日 金曜日

 舞がみじょカフェで星が綺麗に見える場所に次いで尋ねると海岸がいいと教えてもらう。また星空クラブという島の小中学生が放課後星の勉強をするクラブがあることを知る。そのことを朝陽くんのお母さんに話す。

 貴司くんと楽しそうに星についておしゃべりする様子を見て、お母さんは朝陽くんに星空クラブを勧める。行きたいという朝陽くんだったが、行く直前になって心変わりしてしまう。

 沈んでいる朝陽くんに寄り添う舞と貴司くん。貴司くんは、自分の気持ちは言葉にしないと伝わらないと言う。

「朝陽くん、今どんな気持ち?」「分かんない。行けないから。」「星空クラブ行きたいの?」「行きたいけど行きたくない。」「行きたい気持ちはどれくらい?」

 朝陽くんは行きたい気持ちは大きいものの、以前友達に突き放されたことを引きずっていました。

 貴志くんが朝陽くんの言ったことを紙に整理していきます。それを見て、行けって言われるのが嫌だったと書き足す朝陽くん。

 それから朝陽くんは少しずつ自分の気持ちをノートに書き出すようになり、星空クラブにも楽しんで通うようになったのでした。

 そんな皆の様子を見守りながら祥子さんの豪さんは島の将来について思いと考えを巡らせていました。

 朝陽くんや浦さんたちと一緒にテーブルを囲みかんころ餅を食べていた時、電話が鳴ります。それは舞のお父さんが救急車で運ばれたという知らせだったのでした。

 

今週の感想

 今週は副題の「翼を休める島」というのがぴったりの内容だったと思います。思いがけず休息をもらった者、自分から休もうとした者などそれぞれ違う地点から五島という場所にたどり着きともに時間を過ごしていて、巡り合わせが素敵だなと感じました。皆がそれぞれに悩みや葛藤を抱えながらもそれを声を大にしていうのではなく、人との関わりを通じて解決、治癒していっているように受け取れました。

 今週の話のキーマンはやはり朝陽くんでしょう。始めは“まあ子供のイヤイヤでしょ”と思っていましたが、彼の心情は思ったよりも理解が難しく一筋縄ではいかないところが彼の容姿や行動と相まり見ていて応援したくなりました。朝陽くんはある意味大人みたいで、自分がしっかりとあり過度な感情を嫌う。もっと子供らしくいてほしいというお母さんも大変そうでした。

 そして彼の心の内を引き出すために一役買った貴志くんはさすがでした。やはり彼は自身の経験から感覚的に心の傷について考えられるのかもしれないです。朝陽くんを対等な目線で見つめ、励ますのではなく寄り添う姿が印象的でした。そして朝陽くんの行動の足がかりとなった感情を書き出すという作業は実際に彼がやっていることなんでしょうね。辛かった経験をしっかりと糧にしていて素晴らしいです。